その根本にある考え方
「福祉」という言葉は日常的によく耳にする言葉です。しかし、福祉の仕事が何のことを指しているのかについて明確に表現しようと思うと難しく感じる人も意外と多いものです。では、福祉とは一体どのようなことなのでしょうか。その根本にある考えについて解説していきます。
福祉とは
福祉という言葉は「しあわせ」を意味する「福」という漢字と、「さいわい」を意味する「祉」という漢字を組み合わせたものです。「福祉」という英語そのものは存在しておらず、「よく生きる」の意味を持つ「welfare」という造語が福祉の意味で用いられているとのことです。日本語にしろ英語にしろ、福祉の語源をたどると「人の幸福」や「よりよく生きること」という意味が込められていることがわかります。つまり、人の福祉について考えるということは、人の幸せな生き方について考えるということなのです。
幸せな生き方
同じ状況でも幸せと感じられる人とそうでない人がいるため、人間にとって幸せな生き方とは何なのかをひとつの基準として定義することは難しいものです。それでも多くの人が幸せと感じることとしては、家族や友人と楽しい時を過ごすこと、おいしいものを食べること、レジャーに出かけること、ぐっすりと眠ることなど、いろいろな要素がすぐに思い浮かぶかもしれません。福祉について考えるにあたり、自分にとっての幸せとは何なのかについてじっくりと考えてみましょう。そうすることにより、人それぞれの福祉とは何なのか、それをどのように考えていけばいいのかがわかるようになるでしょう。他の人の福祉について考える際に最も重要なのが、相手の気持ちに丁寧に寄り添うことです。自分の基準で相手の幸せを決めつけてしまうのではなく、相手が幸せと感じることは何なのかを引き出しましょう。福祉のことを「自分よりも弱い人を助けること」と考える傾向も少なからずありますが、それは大きな勘違いです。相手がどのようなタイプの人であれ、その人にとっての幸せな生き方とは何かを共に考え、周囲が適切なサポートをしていくことが福祉の基本的な考え方です。
福祉のまちづくりに必要なこと
地域の中では、子どもから高齢者までさまざまな世代の人々が暮らしており、その中には外部からの助けが必要な子どもや高齢ゆえに体が不自由な人、障がいがある人などもいます。そのような中で福祉のまちづくりをするために欠かせないのが、人それぞれで違う「幸せな生き方」についての理解です。ひとりひとりが自分と他の人の幸せについてよく考え行動することで、より良い福祉のまちづくりを進めていくことができるようになります。
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