障がいのある人へのサポート
福祉について深く知るにあたり、ここでは障がい福祉の分野について考えていきたいと思います。
「障がい」を取り巻く議論
障害者基本法によって定められている障がい者とは、「身体障害、知的障害、精神障害があるため、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける者」です。つまり、「心身に何らかの障がいがあることが原因で生活しにくくなっている人」と考えることができます。障がいの原因については、「医学モデル」と「社会モデル」の両方の側面で考えられています。医学モデルとは、障がいは個人の問題であるという考え方に基づいたもので、個人モデルとも呼ばれています。医学モデルの考え方でサポートを行う場合、医療における治療やリハビリが採用されます。一方の社会モデルは、障がいがあるのは人ではなく社会の方であるという考え方に基づいたもので、社会の中で人々が自由に生きられる条件を整えることによって問題を解決しようとします。人権を尊重するという観点では、社会モデルのほうが優れた考え方をしていることから、近年は社会モデルを基準に障がい者サポートを考える動きが活発です。なお、WHO(世界保健機関)では、障がい者サポートには医学モデルと社会モデル双方が必要であるという考え方を採用しています。
「障がい」か「障害」か
近年、「障がい者」というひらがな入りの表記が多く用いられるようになってきました。「障害」か「障がい」かで議論が分かれるのは、「害」という文字の持つ意味からくるイメージが原因です。もともとは「碍」という文字が使われていたのですが、当用漢字から外れることによって「害」の字が使用されるようになったという経緯もあります。障がい者の中には、漢字の意味から連想されるイメージをよく思わない人も多く、そのような声に基づいてひらがな表記に変える流れができたといわれています。一方で、あえて害の字を避けることがむしろ差別や蔑視につながるという考えもあるなど、「害」という字をめぐってはさまざまな議論が交わされています。漢字とひらがなのどちらを採用するかについての決まりは特にありませんが、法律用語の中では「障害」と表記されています。どちらにしても、障がい者に対する無理解、無関心、差別や偏見、拒絶などをなくすためににどうすべきなのか、障がい者の立場に立って考える思いやりの気持ちを社会全体で共有していくことが大切です。
障害福祉サービスとは
障害福祉サービスとは、「障害者総合支援法」に基づいて提供されるサービスのことで、「介護給付」と「訓練等給付」の2つがあります。介護が必要と判断された障がい者は介護給付を、社会生活を送るために必要なスキルを身につけるための訓練が必要と判断された障がい者は訓練等給付を受けることができます。障がいの程度は人それぞれなので、支給のあり方は個々の状態に応じて決定されます。
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